ふと子供のころを思い出させてくれる今回の学校講演会。
今もその昔のワクワクした感覚は忘れていません
場所は竹原市の沖にある大崎上島東野小学校。
ここは僕が小学校6年の時の恩師、木原武士先生がいる学校。
しかも先生の実家がある島で、当時クラスメイトと泊まりに来た想いでの島でもある。
それを考えただけでもあの頃のときめいた心が戻ってくるのです。
先生が特別に僕に残したものがある。
速く走ることが本当にかっこいいと思わせてくれた先生でもあるのです。
あの頃に戻って少し話しましょう・・・
見たことのない針のついた陸上のスパイク。
先生はそれを僕の目の前で丁寧に足を入れ、下の方からひもを締めあげていく。
ぴったりとスパイクと一体になった足を見たとき電気が走るようだった。
一緒に走るか!と声をかけてくれた先生とヨ~イ・・・ドン!
ガガガッ!とスパイクが土に突き刺さる音。
その瞬間に先生は飛ぶように隣からいなくなり足音が消えていく…衝撃的だった。
そしてかっこよかった!ときめいた瞬間でもあったと思います。
速く走れるようになりたい!
飛ぶように走れるようになりたい!
福元テツロー少年はその頃から、中学校に行ったらスパイクを履いてあんなに速く走れるようになるんだと胸をときめかせました。
だから迷いなく陸上部へ進んだのです。
また、昨日はこんなことも突然口から出てしまいました。
先生に速く走れるようになる姿を見てもらいたくて、放課後校庭でわざわざ職員室の前を選んで直線をダッシュを何本もしていたことも思い出しました。
僕は、先生に頑張っているところを見てもらい、ほめてもらいたかったと思うのです。
努力しようとか、そんな感覚とは別のものです。
でもそれをきっかけに、努力する行動へ変化していったのだと思います。
今回呼んでくださったのは、
12月に竹原市の教育研究会で話を聞いてくれた、この学校の校長先生、教頭先生でした。
お二人とも熱い方らしく、僕の想いが通じる人たちでした。
その実現にあたって木原先生がいらしたという形です。
うれしかった。
先生はあのころと変わらず子供たちの心を大切にされていた。
本人たちの気が付かない成長しようとする芽を伸ばそうとする気持ちが、僕にはビンビン伝わってしまって、
この子たちはこの学校で、このスタッフで、この仲間の中で生きたことをいつか誇りに思える日が来るのだろうなと思えてなりません。
島の小さな小学校です。
子供たちはすごく素直。自分を持ち始めてはいるけれど、堂々と前には出してこれない、そんな普通な子どもたち。
だけど少し違うのは、100%素直に人に興味を示す心を持っていること。
普段の大人たちのたまものだと思う。
僕が今回来たことで、何かときめき、何か希望が生まれ、何か変わったなら嬉しい。
それから、6年生の女の子だと思います。
別れ際に皆に気づかれないようにこっそり、
「福元さん握手してください…」と、
うつむいてやってきた子がいました。
すごく勇気が必要だったと思います。
でも勇気を出せたこで、握手した瞬間に何とも言えないかわいい笑顔になりました。
小さな成功体験だと思います。
僕はこの子たちの希望の未来にならないといけないとも思いました。
まだまだくたばれないな…
木原先生に出会って、早く中学校に行って陸上がやりたい!
と思ったように、
早く大人になって輝きたい!
と素直に思える子供たちを増やしていきたいと想うのです。